電卓のデザイン

話題の本『電卓のデザイン』を読みました。著者のコレクションから選ばれた歴史的電卓200機の写真集。面白かった。文章量は少なめですが、技術的な背景も説明されていて、ためになりました。Webサイトもあって、こちらは写真が拡大できるので、ディテールがよくわかります。貴重な資料ですな。

聞き逃した話

Make Tokyo Meetingの期間中は会場内を文字通りかけずり回っているのに、全部の人の話を漏れなく聞くことはできません。終わってから、ネットを通じて知る事柄も少なくないです。CQ出版のサイトにまとめられている、Arduinoチームのジャンルカ・マルティーノさんの話もそのひとつ。

Arduino開発チームのジャンルカ・マルティーノ氏が語る「Arduinoのこれまでとこれから」

ボクはセッションの後半を聞くことができなかったのですが、「次の18か月では100万セットの出荷を見込んでいます」という発言があったみたい。凄いですな。

Arduino 1.0とUno R3を早く試したい。でもまだできてません。ムズムズします。

IdeaPad A1

熱いコンピュータ野郎たちと熱く意見交換することの多かった熱い一週間でありました。勉強になりました。

ワタクシはLenovo IdeaPad Tablet A1を導入して、ハードウエア拡張の方法を研究中です。その中間的な成果発表は近いうちにプロトタイパーズでやりたいなー、と思っております。

A1の印象を簡単にまとめておきますと、まずやはり安いところがいいですな。17000円台で7インチタブレットが買えちゃうのはうれしい。自作ハードをつなげて実験するような人には良い選択肢なんじゃないでしょうか(技適のマークも入ってます)。弱点はCPUパワーでしょうな。重い感じは終始つきまとい、UIはけして快適とは言えません。複雑な操作をしないビューアー系アプリを中心に使うのであれば我慢できるかな。内蔵スピーカだけでもけっこう大きな音が出るので、YouTubeを見るにはいいかも。ワタクシ的に「ここはぜひ改良を!」と言いたいのはフォントです。日本語も中国語圏の字体で表示されちゃう。骨とか認といった字を見ると一瞬「バグ?」って思うくらいの違和感(写真参照)。ソフトウエアで対応可能な問題だと思いますので、Lenovoさんにおかれましてはサクッとアップデートしてほしいなー、と思います。あ、OSのバージョンは2.3.4でした。

Processingをはじめよう

もうそろそろ書店に並ぶと思います。はじめようシリーズの新しい本『Processingをはじめよう』。Processingの開発者ふたりが自ら執筆した入門書です。ワタクシは翻訳を担当しました。

この本は初心者が対象で、プログラミングの基本的なテクニックをProcessingというツールを使って説明しています。画面に絵を描くプログラムを繰り返し作りながら、徐々に高度なテクニックをマスターしていく構成になっていて、常に結果を目で見て確かめることができます(インタラクティブな作例も豊富)。グラフィカルなアウトプットがあるほうが、数字や文字だけのレッスンよりも楽しく効果的。そういう考え方に基づいている本です。

以前、増井さんが書いていたように(pitecan.com)、Processingは昔のBASICを連想させます。この本の著者も子供の頃のBASICやLOGOでの経験をもとにしている、と書いてます。「むかしBASICはいじったけど、プログラミングはずいぶんご無沙汰だなあ」という人にオススメしたいです。プログラミングの入口を提供し、コンピュータを操る楽しさを発見・共有するためのツールとして、Processingはとても優れているんじゃないでしょうか。『Processingをはじめよう』はそうした入門あるいは再入門の手引き書として、最初に読まれることを想定して書かれています。

近日リリース予定のProcessing 2.0では、JavaScriptとAndroidのコードを共通のソースから生成できるようになります。OpenGLの描画性能も向上するようです。各分野に特化したツールと比較すると性能面で見劣りするかもしれませんが、Processingに親しんでおけば、いろいろな分野を簡単につまみ食いできちゃいます。現在、ワタクシ的にもっとも興味があるのは、Android + Processing + Arduinoという組み合わせでの開発。日々、成長が続いているプロジェクトです。

Processingをはじめよう (Make: PROJECTS)

HPとAtariとApple

ジョブズとウォズニアックは大学を辞めてからAppleの仕事に専念するまで、それぞれAtariとHewlett Packardで働きました。では、AtariとHPがなかったら、Appleは生まれなかったのでしょうか? Wikipediaのふたりに関する項目を読んで想像するに、その可能性は高いと思います。Appleのような会社が日本に生まれないのはナゼか、という設問をときどき目にしますけど、その答は「HPもAtariもないから」というのはどうでしょう。

ジョブズを採用したAtari創業者のノーラン・ブッシュネルについてWikipediaを読んでいたら、レオナルド・デカプリオ主演でブッシュネルの自伝映画を作る企画が進行中という記述がありました。しかし、ザッとググッた範囲では続報はないようです。気になります。

読書モード

暑さが一段落した数日間に本の山を整理して、まだ読んでいないものを発掘しました。いっぱい出てきたんですけど、雑誌から片付けることにして読んでいってます。

Software Design (ソフトウェア デザイン) 2011年 07月号 [雑誌]さっき読んだのが『ソフトウェアデザイン』の7月号。特集は「開発現場で使うべきMacOSX」。プログラマー向けのMacOSX入門といった内容。その特集の小池邦人さんのコラムを同感同感と思いながら読みました。ワタクシも「開発環境の構築に手間をかけたくない」ときにMacOSXを選ぶことが多い昨今です。

From Oregon With DIYその次に読んだのが『Spectator』の2009年冬号。先日、田村さんから「Make:のまとめマンガが載ってます」と聞いて買ったものです。たしかによくまとまっている。便利かも。特集の「From Oregon with DIY」も面白かった。ポートランドへ自転車担いで行ってみたいと思いました。