スリープトラッカー対決

GarminのInstinctを買いました。発売から3か月の間、「欲しいけどFitbitで間に合ってるし……」と我慢していたんです。でも、Garminのスリープトラッカーもレム睡眠を検出できると聞いて(去年のアップデートで対応した模様)、Fitbitと比較したくなったのでした。

FitbitはIonic、Versa、Charge3の3機種を使い分けてます。現在常用してるのはこの中で最新・最小のCharge3ですが、今回はInstinctに仕様が近いIonicと比べてみました。左手にInstinct、右手にIonicを装着しておやすみなさい(写真では左手に2個つけてますが、これだと落ち着かなくて眠れませんでした)。

結果は下記のとおり。下のグラフは、Garmin、Fitbit双方のスマホアプリの表示を無理やり繋げたものです。時間軸を揃えてます。

かなり違ってますね。まず入眠の判定が大違い。昨晩の様子を思い出すと、Fitbit(上)のほうが正確。Garminのデータは、布団の上でNetflixを見ていた時間も睡眠中(しかも深く)と判定してますな。Instinctをつけていた左手が右手より静かだったせいかもしれません。

この晩は寒くて、何度か目が覚めちゃったんですけど、そのときの動きが「目が覚めた状態」ではなく「レム睡眠」と判定されていることがある。睡眠レベルの判定基準はFitbitとGarminの間でだいぶ違いますな。どちらが正しいのかは、よくわかりません。なにせ寝ていたので……。

暫定的に優劣をつけるとしたら、Fitbitのほうが感覚に近い、と言えるかな。でも、感覚が間違っているような気もしていて、やっぱりわかりません。もうしばらく実験を続けてみます。

なお、汎用のスマートウオッチとして見たときのInstinctはとても良いです。まずバッテリの持ちが良い(GPS不使用で14日間)。常時オンのモノクロディスプレイの視認性がとても良い。気圧や心拍数を常時グラフ表示できるのも良い。大きさのわりに軽い点やベルトがしなやかですぐ馴染むところも良いですな。良くないのは、ボタンによる複雑な操作系とジャギーな日本語フォントでしょうか。これは長所とのトレードオフなので、しょうがないかも。デザインがヘビーデューティー/アウトドア寄りなので、仕事中はちょっと着けにくいという人もいるかもですな。色はグラファイトが一番無難。でも、他の色も全部魅力的。弊社はツンドラにしました。レークサイドブルーも涼しげでかなり迷いました。サンバーストで真っ向から夏に立ちむかう感じも良かったかも。今後はベルトで遊ぶことにします。

クオーツダイバーズ

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古い腕時計は防水性が弱くなってますから、上手く整備できたと判断しても夏場に外で使うのは避けてます。汗や洗面の水がかかるくらいなら案外平気だったりするものの、やはり気になっちゃうので。この時期に着けて出かけるのは、スマートウオッチか新しめのダイバーズ。機械式のかっこいいダイバーズはたいてい大きくて高価なため、クオーツです。いま気に入っているのは、シチズンのチタニウム・エアダイバーズ200m。ベゼル径39mm。もうちょっと、あと1mmか2mm小さいと、もっと良いんですけどね。8500円で落札し、ベルトだけ換えました。まだ夜光がフレッシュで、暗闇に入るのが楽しいです。実用性で評価したら、こういう時計が一番。

もし、チュードルのミニサイズのサブマリーナ(自動巻き)が2万円くらいで手には入ったら、全力でメンテナンスして喜んで使いますけど、そういう奇跡は起きないので、夏の間はコレですね。時計趣味はお金が「かからない」と言えるスタイルを模索中です。

充電方式

smarts

いつの間にか似たような機械が集まってしまった……ということが皆さんにもあると思います。困りますね。

持っているスマートウオッチを並べてみたら、あることを再認識しました。やっぱり充電の面倒な機械は使わなくなりますな。上の写真で1個だけ電源が入ってないのがありますけど、それは裏面のゴムキャップを外してマイクロUSBケーブルを挿してやらないと充電できないSONY Smartwatch3です。もう随分長いあいだ電源を入れていない。面倒すぎ。他の時計はクレイドルかマグネットタイプの充電端子なので、すぐセットできます。

マグネット端子のPebble Time、クレイドルのMoto 360、マグネットの台になってるApple Watchの3つを比較すると、どれも一長一短ありますね。クレイドルが一番扱いやすく、マグネット端子のPebbleが一番邪魔にならないと思います(電池が持つので、そもそもあまり充電しなくて良いという話も)。Apple Watchは両者の中間かな。

Smartwatch3の充電が面倒すぎ、と言いましたが、汎用のUSBケーブルだけで充電できるのは、旅先や緊急時にはメリットかも。そのための機械として捉えると存在意義が見出せるかも。もういちどセットアップしようかな。でもその前に充電しないと……。

好きな時計の傾向

gruen

自分が魅力を感じる時計の傾向がようやく見えてきた昨今です。方向は2つ。

ひとつは「古き良きアメリカ」。Hamilton、Waltham、Gruenといった、アメリカで興ったメーカーの時計に強く惹かれます。19世紀末から20世紀前半のアメリカで作られた精密機械をいじっていると、これが近代か、という感覚が湧いてきます。

もうひとつは、機械式時計が完成形に到達した1960年代に活躍し、その後の産業構造の変化や電子化によって衰退消滅したメーカーが残した時計に惹かれます。たとえば、Universal Geneveが好き。技術力とデザイン力が伝わってきます。でも、それだけでは会社が生き残ることはできなかったんですね。なぜでしょう? 分解しながらそういうことを考えていると、時間がどんどん過ぎていきます。

2つの方向と言いましたが、多くの場合、特にUSブランドについては、上記の2つは連続してますな。

Hamiltonのように、買収によって現在もブランドが残存している例があります。売買収が盛んに行われてきた業界のようで、一度は消えた名前が復活することも普通みたい。IWCのビンテージを「オールド・インター」と呼ぶように、新旧の体制を区別しながらも共存させている市場ですね。時計雑誌をめくっていてよく見かけるのは「復刻」。オマージュとかヘリテージといったキーワードがよく出てくる。きっとそれは良いデザインの見本なのでしょうが、ワタクシ的にはピンとこないです。もともと時計に興味がなかったからかな。復刻モデルを買うくらいならスマートウオッチのほうが面白いと思っちゃう。

100年前のものであれ、今のものであれ、その時代の技術と人々の欲求を反映して現れたかたちを知りたいです。

上の写真の時計は、1200円で落札し、ざっとレストアしたGruen。ケースとムーブメントの刻印から1950年にシンシナティで作られたことが推測できます。腕にフィットする大きく湾曲したケース、きらびやかなフェイス、小さいのに高精度なムーブメントといった特徴が支持されて、1930年代から40年代にかけて一世を風靡したメンズウオッチですな。キズは多いものの、10K金張りのケースは当時の勢いを感じさせます。ただし、50年製造のこの時計は同社のピークが過ぎた後の製品かもしれません。Wikipediaによると、53年に創業家は同社を売却し、58年には工場も解体売却されてしまいました。

アメリカの時計産業が第2次世界大戦を境に衰退した理由は産業史の題材のひとつとして論じられています。ワタクシが理解した範囲では、大戦中に各社が軍事生産にシフトした影響で戦後の需要にうまく対応できず、やはり軍需を失ったスイス勢の流入によって市場を失い、多くが欧州資本に買収されていったという流れのようです。現在はSwatchグループの一部であるHamiltonが代表例ですな。

他の機械産業と同様に、各国の時計メーカーは大戦の影響を強く受けています。それゆえ、大戦期の製品はとても興味深いんです。現物を入手して触ってみたいという気持ちを抑えるのが大変。アメリカって国はその頃の機械がいいコンディションで売買されてたりするんですよね。先日はebayでHamiltonのコクピットクロックを発見しました。F4Uコルセアに搭載された37500という機種です(そのレストア記事)。買おうと思えば買える価格だったのに、競り合いのタイミングが合わず逃してしまいました。ちょっと後悔。

あれれ、今日は普段より少し長く書いてる。冷房の効いている部屋で時計のことを考えていると平和です。でも続きはまたこんど。

※追記
近頃自覚した興味の方向について書きましたが、古い腕時計を直してみたいという初期衝動のままにいじっているのは、今でもセイコーとシチズンが主です。気に入って使っている時計は、スマートウオッチを除くと、両社の60〜70年代製品が中心です。イタリアンやフレンチのお店に行くのが好きだけど、普段はやっぱりご飯と味噌汁、というような話ですかね。ちょっと違うか……。

トリプル運用

redPebble

Pebble Timeを試してました。Google Fitと連携できるんですね。日本語化パックを入れたら、ちゃんとFit経由の情報も日本語で表示されました。

1台のスマホ(Nexus6)に、Android Wearを2個(Moto 360の第1世代と第2世代)と、このPebble Timeを同時に接続して使っています。おおむね問題なく、並行して使えてます(たまーに通知を取りこぼすのですが、複数接続が原因かどうかは不明)。スマホがメッセージを受信してブルッと振動すると、間髪おかず3つの時計がブルッブルッブルッと震えます。Pebble Timeの振動が一番はっきりしている。

1台のスマホに複数のスマートウオッチをペアリングした状態で長期間問題なく使えるのであれば、個々のバッテリ持続時間はあまり気にならないのではないか、という仮説を検証中。電池が一番残っているのを使えばいいわけです。全部の充電を忘れたらダメですけどね。自分のスマホがiPhoneだったらApple Watchも含めて4台同時運用のテストができるんだけどな。

元は取れるのか?

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1970年製造のキングセイコー・クロノメーター。日本時計史における、ひとつの節目ですな。ぼくもこれを節目として、今後しばらく古い時計を買うのはやめます。だってお金がいくらあっても足りないんですもの。さすがにそろそろ元を取らないといけない……。