Processingをはじめよう

もうそろそろ書店に並ぶと思います。はじめようシリーズの新しい本『Processingをはじめよう』。Processingの開発者ふたりが自ら執筆した入門書です。ワタクシは翻訳を担当しました。

この本は初心者が対象で、プログラミングの基本的なテクニックをProcessingというツールを使って説明しています。画面に絵を描くプログラムを繰り返し作りながら、徐々に高度なテクニックをマスターしていく構成になっていて、常に結果を目で見て確かめることができます(インタラクティブな作例も豊富)。グラフィカルなアウトプットがあるほうが、数字や文字だけのレッスンよりも楽しく効果的。そういう考え方に基づいている本です。

以前、増井さんが書いていたように(pitecan.com)、Processingは昔のBASICを連想させます。この本の著者も子供の頃のBASICやLOGOでの経験をもとにしている、と書いてます。「むかしBASICはいじったけど、プログラミングはずいぶんご無沙汰だなあ」という人にオススメしたいです。プログラミングの入口を提供し、コンピュータを操る楽しさを発見・共有するためのツールとして、Processingはとても優れているんじゃないでしょうか。『Processingをはじめよう』はそうした入門あるいは再入門の手引き書として、最初に読まれることを想定して書かれています。

近日リリース予定のProcessing 2.0では、JavaScriptとAndroidのコードを共通のソースから生成できるようになります。OpenGLの描画性能も向上するようです。各分野に特化したツールと比較すると性能面で見劣りするかもしれませんが、Processingに親しんでおけば、いろいろな分野を簡単につまみ食いできちゃいます。現在、ワタクシ的にもっとも興味があるのは、Android + Processing + Arduinoという組み合わせでの開発。日々、成長が続いているプロジェクトです。

Processingをはじめよう (Make: PROJECTS)