『入門 電子回路の安全設計ノート』という本を読みました。けっこう面白い部分があった。たとえば部品が壊れる瞬間の写真が良かった。電解コンデンサからプシューッと液(?)が噴き出しているところや、フィルムコンデンサがめらめら燃えている写真など。カラーでもっとたくさん見たかった。原稿もところどころ技術者ならではの味がでてます。理想的なハンダ付けについて説明しているところで「表面を見ると芯線を中心に反射光が後光のように見えます」なんて書いてある。ワタクシも後光が差すようなハンダ付けをしていきたいと思った。
この本で繰り返し述べられているのは「壊れないようにするだけでなく、壊れるときには安全に壊れるよう設計することが重要」という考え方です。日本の家電は長持ちするけど、本来の寿命を超えてあまりに長く使ったために事故が起こることがあるんだそうです。30年使った扇風機が発火して火事になったり。永年の愛用の結果がそれでは、作った方も使った方もやるせないですな。
耐用年数超えの使用を自動的に制限してしまうことも提案されています。寿命がくると内蔵のタイマーが作動して停止してしまう機械。著者は、現実にそれを導入するのは難しいと知りつつも、採用を検討してみてはどうか、と提案しています。なるほど。