前にも書きましたが、ワタクシは「右」と「左」をとっさに言うことができません。たとえばタクシーで「次、右です」と言おうとしても、口ごもったり、逆に左と言っちゃったりします。即答すると反対を言ってしまう確率が高いです。上と下、あるいは、前と後ろについては問題ないのですが、向きを指定するときは一瞬考えて、確認してから口に出すクセがついています。即時に反応する必要があるときは、声ではなく、指で示します。指は左右を間違わないんですよね。でも、左を指しながら右と言っちゃったりします。脳内のどこかの接続が逆になってるんだと思います。
さて、今日、エレベータに乗っていたときのことです。3階から1階に向かう途中、2階で停止しました。ドアが開くとお年寄りがいて、「下ですか?」と尋ねました。ワタクシはとっさに下を指さしました。乗り合わせていた人は、ぼそりと「下」と言いました。不機嫌そうな声でちょっと感じが悪かったんですが、無言で指をピッとやっただけのワタクシのほうがもっと悪いのかもなー、と思ったりしている間に、1階へつきました。
終点の1階で全員が降りるとき、2階で乗ったお年寄りが突然ワタクシのほうを向いてこう言いました。「ワシは耳が悪いんで、指で教えてくれてありがとうね」。
なるほど、そういうこともあるのか、と少し驚きつつ思いました。