コミュニティ・エレクトロニクス

昨日リンクしたchumbyのようなデバイスは増えていくと思います。廉価なパーツを組み合わせて小さなコンピュータを構成し、オープンソースなソフトウエアを載せて、ネットワークにつなぐことで有用なことをさせる。そして、それに必要なソフトとハードはコミュティー主導で作られていくという流れ。

Makeで紹介されていたBug Labsというオープンソースハードウエアを手がけている会社のサイトを読んでいたら、こんな自己紹介が書かれてました。

「Bug Labsは新種のテクノロジー企業です。Bug Labsによってエンジニアはハンダづけの仕方や半導体技術について学んだり、あるいは中国に行ったりしなくても様々なデバイスを開発できるようになります。
Bug LabsにおいてCEとはコミュニティ・エレクトロニクスのことです。マッシュアップの概念をWebサービスと同じようにハードウエアにも適用します。起業家たちはデバイス分野のロングテールを通じてたくさんのマーケットにアピールできます。」

なるほど。バズワード臭もしますが、狙いは面白そうだし共感できる部分があります。この人たちが言うところのコミュニティ・エレクトロニクスという言葉について、つらつら考えてます。

Bug Labsが年内に出すコンピュータの中身はchumby同様、ARM+Linuxです(今月号のソフトウエアデザイン誌で特集されていたarmadilloもそうですな)。ARMプロセッサとLinux OSの組み合わせで安くてオープンなプラットフォームを用意するところからコミュニティ・エレクトロニクスは始まるようです。そのプラットフォーム自体は汎用品の寄せ集めなのであまり付加価値はありません。エンドユーザー的には値段と筐体のデザインくらいしか違いは見あたらないハズ(chumbyを見ると、そこも重要とは思います)。

デバイスそのもので差別化できないとしたら、どこでビジネスを構築するのか。ひとつは、プラットフォームで囲い込んだ上でソフトウエアビジネスをやる方法でしょうな。つまり任天堂スタイル。でも、今からポッと出の企業がそれをやって成功するのは難しいし、インターネットが生みだした状況をフル活用するアイデアにはなってませんな。

そこで出てくるキーワードがコミュニティ、という理解です。開発者とユーザーからなるコミュニティのなかで需要と供給が出会い、周辺デバイスやアプリケーションソフトやコンテンツが流通する状況を作り出す。それはハードウエアとソフトウエアが知的所有権によってがんじがらめになっていたら成立しない話で、ARMプロセッサをはじめとするコモディティー化された電子パーツとGPL下のソフトウエア群の普及によって想定可能となった世界です。

……えーと、まとまらないと思うのでここでいったん切りますが、自分としてはそういう世界が朧気ながら見えてきたことで、ひさびさにコンピュータ関係でワクワク感を得られそうだなあ、みたいな感じなんですね。まだ、見えない部分が多いですけどね。不発かもしれないし。でも、ここ数ヶ月間、延々やってる電子工作とつながってくるものがあって、やっぱりこの方向になにかありそうだよなあ、みたいに思ったりもしてるわけです。ハズしてるかもしれないけどね。頭の中でもうちょっとまとまったら、また書きます。