ワタクシがローカライズを担当した本『Raspberry Piをはじめよう』が出ました。木曜日から店頭に並んでます。『Arduinoをはじめよう 第2版』と『Processingをはじめよう』に続く、『はじめよう』シリーズの第3弾ということになっていて、書店さんによってはそんな感じの売り場を作ってくれているようです。ありがたやありがたや。
少し『Piはじ』の内容を説明しましょうか。『Arはじ』や『Proはじ』と違って、『Piはじ』の原著者はPiの開発者ではありません。開発者でありプロジェクトリーダーであるEben Uptonさんの話を読みたい人はインプレスの『Raspberry Piユーザーガイド』をチェックしましょう。先行しているPi本はたくさんあって、日本の本はカラフルで図版が分かりやすいものが多いです。それに対して『Piはじ』はモノクロ。図が分かりやすい本とは言えないかもしれません。ビジュアルを重視する人は、たとえばラトルズの『Raspberry Piで遊ぼう!』あたりを立ち読みしてみましょう。
『Piはじ』が「どんな本か」ではなく、「どんな本ではないか」を説明する感じになっちゃいましたけど、改めてどんな本かを手短に言うとしたら「スクリプト言語環境としてのPiに焦点を当てたコンパクト(A5版)で相対的に低価格な本」という感じでしょうか。Piの標準OS”Raspbian”をインストールするとデスクトップに現れる2つのスクリプト言語処理系”Python”と”Scratch”の説明に多くのページが割かれています。シェルの簡単な解説もあるので、Linuxは初めてという人にもある程度対応できます。もちろん、紙数は限られていますので、どの言語の解説も基本のキを押さえるレベル。Pi上で使い始めるのに最低限必要な知識とシンプルな作例を紹介しています。
ワタクシ的にスゴイと思った作例は、PythonとSimpleCVライブラリを使った顔認識のプロジェクト。PiにつないだUSBカメラでちゃんとこの顔を見つけてくれました。Pythonの勉強にもなった。わりとふつうなLinuxマシンであるPiは、入手しやすいUSBデバイスと豊富なスクリプト言語用ライブラリを使って、それなりに高度なことをサクッと実現したいときにメリット大。『Piはじ』はそんな使い方をしてみたい人が入門書として読むのにいいんじゃないかな。
お値段は2000円+消費税。紙の本のなかでは、現時点で一番安いPi本と思われます。あ、日経BPのムックは同価格。ラトルズの本はKindle版もあって、そちらは10円安いみたい。『Piはじ』もPDF版が発売されるはずですが、今のところ発売日や価格の情報はありません。判明ししだいお伝えいたします。