52年前のシチズン

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時計レストアはゆっくり続けています。写真は1962年製のシチズン。国産手巻き式腕時計の代表格『ホーマー』シリーズの一機種です。この機種は文字盤のデザインが面白い。ただ、腐食が進んでいて、超音波洗浄とブラッシングだけでは取れない汚れがあります。

ムリにキレイにしようとせず、不潔でない程度に汚れをとり、最低限の視認性が確保できたら、それ以上はいじらない方針です。内部のムーブメントは無事で、基本的な清掃と注油だけで正確に時を刻むようになりました。

うちに届いたときは、真っ黒で1秒も動かなかった時計です。それを動くようにした満足感と同時に、こんなに古い機械式時計を直すことにいったいなんの意味があるんだろう? という自問がじわっとこみ上げてきます。直したいから直しているだけなんですけどね。

空中配線

落札したばかりの音叉式電子ウオッチ「シチズン・ハイソニック」をいじっていました。おそらく1972年製造。電子回路で300Hzという可聴域の振動を生成し、それを歯車の運動に変えるクオーツ以前のハイテク時計。内部を見るとリード部品が空中配線されてます。電子部品は大きいんですが、メカはすごく細かくて、顕微鏡でやっと歯が見えるような歯車が使われてます。そういう時代だったんですね。

輸入風防

アメリカはミネソタ州の時計部品店から風防が届いた。お椀型のガラス風防。この時計に平らな風防を入れると針があたってしまうので、お椀型(ドーム型)が必要でした。国内で通販しているところは見つからなかったんですが(プラスチック風防なら入手可能ですけど、今回はガラスにしたかったんです)、Esslingerだと6.5ドルくらいで買えちゃう。送料も一番安い方法なら10ドルくらい。ただ、それだと時間はかかります。3週間近くかかった。送料をもう少し奮発すれば良かったかも。まだまだ試行錯誤の連続です。

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レストア100本ノック

1日1個ペースでジャンク時計を買ってレストアするのはそろそろ止めよう……と5月末に書きました。60個やった時点ですね。そうしたら、それを読んだ複数の人から「どうせなら100個までやるべし!」と叱咤されたのです。なので、継続してたんです。今日届いたシチズンで、取得ジャンク数が100個になりました。1日1個ペースは維持できた。現時点で整備中のものは8個、レストアを諦め部品箱またはゴミ箱へ送った時計は20個(下の写真は部品箱の時計たち)。つまり、72個をレストアしました。終盤は新しめのクオーツ時計を主体にしたのでレストア成功率が上昇してます。電池を入れるだけで復活するパターンが多い。

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まだ入札中のものがいくつかあるので、もう少し数は増えるかもしれませんが、1日1個ペースは今度こそ本当におしまいにしようと思います。心残りはいくつかあって、たとえば自分が生まれた年に製造された紳士用時計はまだレストアに成功していないんです(前後の年はいっぱいあるのに!)。そういう未達のテーマをゆっくり追うモードに移行します。

Android Wearスマートウオッチが発売されましたね(Google Play)。LGとSamsungが先陣を切った。本命視しているMotorolaの丸いヤツはまだです。早く使ってみたい。

セイコーミュージアム

向島のセイコー・ミュージアムを見学してきました。楽しかった。自分が持っている時計が陳列されていると、すごく高揚しますな。もちろん、初めて見る時計がほとんどで発見の連続。舐めるようにディテールを観察してきました。たぶんまた行くでしょう。シチズンのミュージアムはないのかな?

グリシン・エアマン

AIRMANシリーズはGLYCINEの代表的な製品で、ベトナム戦争時代のパイロットウオッチが原型です。1周24時間のダイアルが最大の特徴。超かっこいい。そう思うのはワタクシだけではないようで、世界的に人気のある時計です。ヤフオクやeBayでの捜索を継続してきましたが、なかなか入手できない。不安要素があるか予算オーバーかのどちらか。サイズとデザインは原型に近いものがほしいので、古いもの狙いになるのも難しさの原因(2014年の復刻バージョンは原型と同サイズになるという情報は目にしました)。しかもニセモノが多いらしい。

きのうのアンティークウオッチ市で、ミリタリーモノが充実してるショップの店員さんにAIRMANのことを質問したら、「扱いたいけど入らない商品のひとつ」という答え。それでも会場をくまなくサーチすると2個だけありました。ひとつはSSTというバージョンで、欲しいものとは違い値段も高い。もうひとつは調べたことがなかったクオーツ式のワールドタイムモデル”AIRMAN QUARTZ”。未使用品とのこと。値段は4万円以下。予算内です。でも、本来AIRMANは自動巻き。それにゴールドのベゼルと竜頭がピカピカしてて硬派な原型からかけ離れたデザイン。悩みました。

集中的に時計をいじり続けた結果、ワタクシのココロが機械式時計に囚われているわけではないということは分かってました。手巻きや自動巻きの時計は仕組みがよく分かり、細部まで自分でいじることができて面白いけど、クオーツも古い電子式も面白いし、スマートウオッチも全然アリ。普段使う腕時計としてはやっぱりクオーツがラクですな。機械式が増えすぎてゼンマイ巻くのが大変というのもあります(指先がちょっと痛い)。

だから、あとはミリタリー感のないAIRMAN QUARTZをどう捉えるか、でした。これもAIRMAN、と納得できるか? 長時間に及んだ検討と葛藤の詳細は省略して結論だけ書きますと、AIRMAN QUARTZもAIRMANだ、ということになりました。そのAIRMANください! カードでいっすか? 1回払いで!

という次第で、いま拙者の手首には金色のAIRMANが載ってます。時計、楽しいですね。
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