ストリーミングサービスはApple MusicとTIDALを利用しています。邦楽はAppleで、その他はTIDAL。まだ日本はTIDALの対応エリアじゃないんですけど、そのあたりはゴニョゴニョって感じで。
TIDALのウリはハイレゾです。MQAフォーマットで、CDを少し超える音質を配信してくれます。ただし、それはTIDAL MASTERというラベルのついている音源だけ。その他の音源はHIFIと表示され、このときはロスレス圧縮のCD程度の情報量です。
再生にはアプリが必要です。Mac版のアプリが快適(他のOSではまだ使ってないです)。MQA対応のDACを接続していると自動的に見つけて、それから音を出してくれます。曲を探したり、プレイリストを管理する機能はSpotify等の他サービスと同レベルですね。Apple Music/iTunesよりは使いやすいと思ってます。上のスクショを見ると、MY MIXというサムネが並んでますね。これはワタクシが自分で作ったミックスではなく、TIDALが再生履歴をもとに自動生成したものです。それに「私のミックス」と名付けてしまうAI感が今風ですな。
皆さん気になるのは、ハイレゾだとやっぱり違うの? 何が違うの? という点でしょう。まず、下記の条件を満たす場合、聞き分けは可能だと思います。
・聴き慣れた曲(または聴き慣れた楽器で演奏されてる曲)である
・CDより高ビットレートでマスタリングされている
・ハイレゾ対応の機材で再生している
・静かでリラックスできる環境にいる
・体調が良好
ピアノをやっている人に、その人がよく知っている曲を、TIDAL MASTERとApple Musicで聴いてもらったことがあります。どちらがハイレゾか教えずにTIDAL→Appleの順で聴かせたら、非ハイレゾの音が出たとたんに「こっちは平板、さっきのほうが立体的」と評しました。別の機会に別の曲を逆の順番で、つまり非ハイレゾ→ハイレゾで聴かせたときは「こっち(後者)のほうがいろんな音が聞こえる」と言ってました。ワタクシもそうだと思います。自信を持って言えないことも多いですけどね(なお、このピアノをやっている人はCDとTIDAL MASTERの違いも同様に言い当ててましたので、訓練された耳を持つ人は可能なんだと思います。ワタクシは「そんな気がする」という程度で確信は持てないことが多いです)。
TIDALを使う楽しさは、ハイレゾの音の良さにあるのは確かだと思います。でもそれはキッカケに過ぎなくて、真剣に音を聴く習慣が蘇り、新しい音と音楽を探す行為が新鮮さを取り戻したから、これだけ楽しめるのだとも思います。音質はCD級でもOK。昔聴いたときは好きじゃないと判断した曲が、すごく良く感じられたりします。たとえば、最近スティーブ・ライヒが面白いんですよね。これは聴き手の経年変化によるところも大きいと思いますが。
サブスクで無限に試聴しつづけることができるとなると、止め時がわからなくなりますな。TIDALの料金は月額19.99ドルと少し高い。でも毎月何枚もCDを買っていた昔の自分を思い出すと、格安じゃん、とも思います。日本でもソニーがハイレゾストリーミングを始めることになってます(mora qualitas)。発表当初は「初春」にスタートと言ってましたけど遅れてるようですな。超期待してます。オープンするまで、一時的にアナログ盤の世界も覗いておこうかな、と思ったりもしているのですが、その話はまたこんど。