美しいペン先

好きな万年筆のタイプがだんだんわかってきたところです。まず、ペン先のルックスがエレガントであること。次に、細い字が滑らかに書けること。軸のデザインについてはまだよくわからないのですが、いかにも万年筆という感じの黒くて丸っこい樹脂性のものよりは、金属性のストレートな形のほうがデザイン的には好きです。ただ、持ってみると軽い樹脂性の方がしっくりくることもあるので、純粋に筆記具としての評価はまた少し違ってきます。

targa1005

この写真は今一番気に入っているSheaffer Targa 1005。未使用品をヤフオクで落札しました。1970年代のMade in USA。このようにペン先が軸に填め込まれている構造をinlaid nibと言うそうです。美しい。ペン先がピンと上方に反っているのも特徴。ペン全体を縦気味にして書いても、ペン先は良い角度で紙に当たります。軸にはGold Electroplatedと刻印があって、要するに金メッキですな。さんざ腕時計をいじった結果、程度の良い金メッキは好きになりました。このペンはわずかに経年の劣化があるものの、とても美しい状態を維持してます。このような縦筋模様はflutedと呼ばれるみたい。新しい言葉をだいぶ覚えました。重量のあるペンなので、重心を意識してペンの真ん中あたりを持ち、自重に任せてペン先をわずかに着地(着紙?)させ、柔らかく手を動かせば、するすると線を描くことができます。心地よいですな。

redmtblanc

次の写真は2番目に気に入っているMontblanc 320。80年代後期の製品。これもヤフオクで買ったのですが、届いたものにインクを入れたら、軸の連結部(リング)からじわじわと漏れ出して焦りました。軸の尾部(尻軸)を回転させて内部のピストンを動かしインクを吸い込むピストンフィラー方式で、その吸ったインクを溜めるシリンダが劣化していた模様。交換でしか直せないので、セラーの人に頼んで対処してもらいました。古いものを扱うのは面倒だけどやっぱり面白い。このペンはモンブランの普及クラスということで重量感はなく、どういう持ち方がベストかは研究中です。もともと筆圧高めなので、矯正が必要かも。なるべく上を持ち、繊細なペン先に意識を集中して書く練習。慣れてくれば、すらすらと細い字が書けるのかな。

届いたら書き味がイマイチだった、ということもあります。半分くらいそうかも。そういう場合は、ペン先をねじったり研いだりして「調整」の練習台にしています。うまくいったものもあれば、完全に失敗したものもあり、様子見中のものもあります。机の上は万年筆だらけ。指先は常時インクで青くなってます。このまま万年筆の人になっちゃったりして、と思った瞬間もありますが、パッとメモを取りたいときは、いまでも鉛筆かシャーペンに手が行きます。これは昔から。学生時代も編集部で原稿用紙に記事を書きまくっていた頃もシャーペンユーザー。近年は0.9mm芯のシャーペンが好み。万年筆を触った結果、それを再認識しました。で、新たに気になっているのが、ビンテージのシャーペンで、モンブランやパーカーのものに入札してます。eBayで落札したパーカーは来週あたり届くかな。太めの芯を使う古いシャーペンを少し研究してみるつもり。