ミネルバ

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怖くて分解できない時計が増えてます。自分でメンテナンスしてメカニズムを知ることが古い時計を買う目的だったはず。いや、今でも買う時点ではそのつもりなんです。しかし、裏蓋を開けると、この古くて複雑で歴史のある機械を自分が壊しちゃったらどうしよう、という恐怖が沸いてきます。

写真は先日eBayで落札したMINERVA cal.9クロノグラフ。ググると、開発は1920年代。第2次大戦期に軍用として使われたとあります。この個体の由来はわかりません。ネジには細かい傷が多く、何度もメンテされた気配があります。汚れもひどいので最後のメンテから時間がたっていることも想像できます(上の写真はわざと汚れがよく見えるように撮ってますので、実物はもう少しピカッとしてます)。これをキレイにしたいのですが、怖いので着手できないという話ですね。

吉祥寺の懐中時計専門店『マサズ・パスタイム』へ行くと、美しい懐中時計の数々を見せてくれます。どのムーブメントも古いのにきらめいてる。うっとりしちゃう。あんなふうに、この時計もレストアしたい。きらめきを取り戻させてあげたい。でも、怖い。自分にはできないかも……そんなふうに揺れながら時計の中身を見つめる毎日です。