戦略物資としての時計

江古田の古書店で見つけたMastering Timeという本を読んでいます。Tag Heuer社の社史であり近代時計史でもある大判のハードカバー。前半は戦争を利用し、翻弄された歴史ですな。たとえばこんなことが書いてある。

『第2次大戦中、ホイヤーのアメリカ向け輸出には参戦前であってもドイツの通行証を必要とした。その報復としてイギリス海軍はホイヤーの服部時計店向け貨物を奪取した。その後イギリスはホイヤーに代金を支払い、ホイヤーは服部に前払い金を返還した。』

クロノグラフは戦略物資だったわけですな。面白い。服部時計店、つまりセイコーに卸していたという話も面白い。無事日本に届いた時計もあったのだろうか。ああ、気になる。

ところで、現代において軍用クロノグラフに代わる戦略物資って何でしょうね。GPSモジュールとか? そう考えて調べてみると、スイスのu-bloxが世界シェアナンバーワンという記事がありました。やっぱりスイス企業ってそういうところ狙ってるんだな。