電圧リファレンスで遊ぼう

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以前、武蔵野電波で測定器メーカーAgilentを取材したときに、校正用の電圧源(電圧標準器)を見せていただきました。温度管理された部屋で常に正確な10Vを出力しているサイバーな機械。それを見て「弊社にも欲しいニャ~」と思ったのですが、残念ながら誰もが持てるようなものではありません。「標準」という大きな枠組みのなかで正しく運用してこそ意味をもつシステムです。

測定器メーカーの校正室にあるようなものはムリでも、それなりに正確な電圧源を手に入れる方法はあります。たとえば精度0.05%くらいなら電圧リファレンスICと呼ばれる数百円のチップを使って簡単に作れちゃう。先ほどワタクシは、新しいテスターを手に入れたら試してみようと思って買っておいたTIのREF5020AIDを使えるようにしました。2.048Vを±0.05%の範囲で出力する8ピンのICです。データシートによると、基本となる回路はシンプル。2.7V以上の電源とコンデンサを2個繋ぐだけ。3Vのコイン電池(CR-2032)を使って小さくまとめ、FRISKケースに入れました。

できあがった回路を昨日届いたFluke 45に繋いでみると……うわ! 2.0481Vだって! 仕様から0.0001Vしかズレてません。ICの誤差をテスターの誤差が打ち消した結果かもしれませんけど、こうまでピッタリな数字が出るとスカッとしますな。

新しいテスターで自作回路を測っていると時間を忘れます。