『バイオパンク―DIY科学者たちのDNAハック!』を読み終えた。とても良かった。
「いちおう目を通しておこうかな」くらいのノリで開いた本だったのに、予想を遥かに超える有意義さでした。ここ数年の取材やWeb上の記事を通じて見聞きしながらも未消化だったキーワードがひとつのストーリーで繋がったのです。スプツニ子さんに教えてもらったDIYbio、3rdWardのユーザーが言っていたHumanity+、一時期Make界隈で話題になったOpenPCRといった「現象」が、次々とわかりやすく説明されていく過程は鳥肌モノでした。お馴染みのArduinoやKickstarterなども登場するんですが、DIYバイオテクノロジーの文脈に置かれたことで、関心がリフレッシュされました。最後はシンギュラリティーの話まで行きます。批判も忘れずに、関わる人たちの熱量を伝える著者のバランス感覚は見事です。勉強させていただきました。