Adafruitからリンクされていた、「今日のホビーストは明日のホビープレナーである」という記事をゆっくり読んでみました。ホビープレナーとは、ホビーストとアントレプレナーを合わせた造語でしょうな。なにが書いてあるのか、ざっくりまとめると以下のとおりです。
はじめに、DIYの様相が変化した、という話。従来の日曜大工的なDIYの世界だけでなく、伝統的な手法とデジタルな技術をミックスしたものづくりやマスプロとは異なる方向の製品開発をテーマに活動する人たちが増えているとし、そうした新しいDIYの実践者をMakerと称しています。
Makerは基本的にホビイスト(情熱を持ったアマチュア)なんですが、その範疇を超えて、新しいテクノロジーやビジネスモデルを駆使するスモールビジネスの立役者となりつつあるのではないか、という仮説を設定し、そうした人々をホビープレナーという造語で表現しています。
ホビープレナーがアメリカ経済そして世界経済に貢献する一大勢力になりつつある、と、かなり大上段に構えてから、本論へ。
まず、Maker Faireの参加者の分析をしています。2009年5月にサンマテオで行われたフェアで、100組の出展者に対してアンケートを実施し、その結果、55%の出展者が自分のビジネスのプロモーションや商機の発見を目的に参加しており、アイデア段階の人も含めると、ビジネス指向の人が2/3を占めている、という数字をあげています。
こうした人々は趣味の延長としてスモールビジネスを立ち上げ、パートタイムの仕事として製品開発を行っており、枯れた技術の再利用や異質な素材のマッシュアップによって低コストにイノベーティブな製品を作るところが強みであると筆者は見ています。
ほとんどのホビービジネスは片手間の域にとどまるのですが、より本格的なビジネスへと発展したケースをMaker Faireで発掘しています。また、ここで、マクロな統計データと照合して、この新たなDIYのムーブメントがアメリカにおけるビジネスの創出につながっていると論じています。
そして次にくるのが「ホビープレナーが繁栄する6つの理由」という一節。
1. ものづくりが簡単で安上がりになった
低コストなコンピュータ制御のツール類(レーザーカッター、3Dプリンタ)、あるいはオンラインのサービス(Ponoko、Shapeways)の存在によって、生産手段に大きな投資をせずに最終製品を製造し出荷することができる。
2. ニッチなビジネスである
インターネットによって、ニッチなマーケットが構成されやすくなったという話。
3. ホビー分野のオンラインコミュニティの存在
Makerたちはインターネットで広範囲な知識を交換し、製品開発とビジネスに役立てている。
4. 不況が原動力となっている
長期化する雇用の欠如によって、ニッチなビジネスをパートタイムでこなすことが重要な選択肢になっている。
5. ベビーブーム世代が趣味の世界に移行しつつある
ベビーブーマーは経済的な理由から収入源の維持を望んでいるのと同時に、自分の興味や情熱を満足させる新たな仕事を求めている。その結果が引退後のホビープレナー指向となって現れている。
6. 非大量生産品に対する需要の増加
Makerたちは、非大量生産品(customized products)を求める声に応えられる、もっともいいポジションにいる。
そして、最後に、ホビープレナーたちの持つ、質素、テクノロジー通、グリーン指向、実際的なビジネス手法といった美質をまとめ、そうした彼らが米国と世界の経済に貢献するであろう、としています。
以上です。文中の具体例はとばしちゃいましたけど、だいたいこんな感じだったと思います。前向きですな。そこまで前向きになれる話なのかしら、とか思ったりもしたんですが、とりあえず今日のところは、グイッと前向きになって考える姿勢が大事だよね、くらいの受け取り方にしておきましょうか :-)
熟考してちゃんと考えたくなる内容、どうもありがとう!
うーむ、興味深い。音楽とも通じるところがあるような。
とりあえず棒状の部分を光らせ銭湯で演ってるところを素っ裸でUSTだ!
めちゃめちゃおもしろい考え方ですね!