文字盤が割れてるし、1日に5分遅れるけど、綺麗でかつかっこいいロンジン。おそらく90年ほど前の製品。綺麗とかっこいいが両立するところが凄いと思うんです。
投稿者: 船田戦闘機
独立時計師・浅岡肇
届いたその日に『ジャパン・メイド トゥールビヨン』読了。いま日本で一番すごいメイカーは誰かと聞かれたら、この本の主役、浅岡肇さんではないでしょうか、と答えます。
浅岡さんが時計作りに取り組み始めたのは2004年。”Watchmaking” という本を参考にしたほかは全部独学らしい。グラフィックデザインの仕事をやめて時計一本に絞ったのはリーマンショック後という話もどこかで読んだ。本の最後には「意匠デザイン、機構設計、機械加工、仕上げ、塗装、組み立て、どれを1つとってもすぐに究められるようなものではない。どのようにしてここまでのレベルに達したのか、いまだに謎である」と著者のひとりが書いている。
twitterやfacebookの書き込みを見ていると、好きなことを理想に至るまで追求し続ける人なんだろうな、ということはわかります。でも、ただ闇雲に追求しても、なかなか成果は出ませんよね。完成させる能力も必要。そこも凄いところが凄い。
やっぱ凄いな……と何度もつぶやきながら読んだ1冊でした。
機関銃の社会史
『機関銃の社会史』読了。19世紀末にアメリカで実用化された機関銃が、最初はゆっくりと、そして最後は急激に戦争の様相を変化させた過程がまとめられています。読んでみる気になったのは、機関銃と今いじっている懐中時計が同世代の技術だから。なぜアメリカでこうした精密機械の大量生産が実現したんですかね。この本だけでは見えてこないので、次は精密機械の製造者の話を読みたい。そんな要求にぴったりな本はあるのかな。
ピチカート
Google Play Musicは無料期間が終わって課金が始まりました。Apple Musicは無料の間に辞めちゃったけど、プレイリスト機能が便利なGPMはもう少し使ってみようと思ってます。ただ、聴いてる時間はYouTubeやSoundCloudのほうが長いんですよね。NPRやKEXPがあれば退屈しないです。
NPRから1本貼っておきましょう。最初の2曲の左側のコのピチカートが面白い。
突然Apple Watch
ミネルバ
怖くて分解できない時計が増えてます。自分でメンテナンスしてメカニズムを知ることが古い時計を買う目的だったはず。いや、今でも買う時点ではそのつもりなんです。しかし、裏蓋を開けると、この古くて複雑で歴史のある機械を自分が壊しちゃったらどうしよう、という恐怖が沸いてきます。
写真は先日eBayで落札したMINERVA cal.9クロノグラフ。ググると、開発は1920年代。第2次大戦期に軍用として使われたとあります。この個体の由来はわかりません。ネジには細かい傷が多く、何度もメンテされた気配があります。汚れもひどいので最後のメンテから時間がたっていることも想像できます(上の写真はわざと汚れがよく見えるように撮ってますので、実物はもう少しピカッとしてます)。これをキレイにしたいのですが、怖いので着手できないという話ですね。
吉祥寺の懐中時計専門店『マサズ・パスタイム』へ行くと、美しい懐中時計の数々を見せてくれます。どのムーブメントも古いのにきらめいてる。うっとりしちゃう。あんなふうに、この時計もレストアしたい。きらめきを取り戻させてあげたい。でも、怖い。自分にはできないかも……そんなふうに揺れながら時計の中身を見つめる毎日です。