PARKER Soft-tip簡易再生法

しゅくしゅくと断捨離を進めているのです。だいぶ売りました。電子計算機と写真機についてはひと段落して、当面売るものは無い状況。目下の課題は時計と筆記具。引き出しを漁ると、あとからあとから出現し、際限ない。そんなに簡単に売れるものでもないし。検品、撮影、出品のサイクルを延々繰り返してます。

メルカリ等に滞在している時間が長くなると、必然的に他者の売り物も目に入ります。とくに、自分が売ろうとしている分野の最新状況に詳しくなってしまう。そして、欲しい物に遭遇することも増えてしまう。

はい、遭遇しました。PARKER 75 CiseleのSoft-tip。Ciseleの万年筆とボールペンはよく見かけます。メカニカルペンシルもたまに出てきますね。でも、Soft-tipモデルが売られているのを見たのは初めて。状態も良さそう。リフィルが複数ついてくる。買うしかない……。

Soft-tipはフェルトペンの一種と理解しております。数十年前のフェルトペンですから、当然ドライアップしてます。2本あるうちの1本は黒く乾いたインクでガビガビ、もう1本は白く綺麗な状態。たぶん、赤系のインクが入ってて、乾燥したあと退色したんじゃないかな。どちらもまったく書けません。

ふつうはPARKERのローラーボールペンのリフィルに換装して使うようです。アダプタを介して現行製品をセットできるので、現代的な筆記具として再利用できるわけです。互換性をちゃんと考えてる良いメーカーですな。

しかし、それではつまらない、という偏屈な人もいるんです。「わしはSoft-tipを使ってみたいんじゃー! だから買ったんじゃー!」と叫び出す手合いが必ずいるんです。ググったら、すぐ見つかりました。ドライアップした芯にドリルで穴を開けエプソンのプリンタ用インクを注射器で注入して再生した御仁が。
Restoring plastic Parker soft/fiber/fibre-tip refills (how-to instructions)

「ついに再現性のある手法を見つけましたのでシェアします」みたいなことが書いたあったので、かなり自信があるのでしょう。小生も真似してやってみようと思いました。ピンバイスとシリンジはあるから、あとはインクか……と机のまわりを眺めていたら目に入ったのが、パイロットのインク瓶。

文章でくどくど説明する必要はないですね。上記写真のとおり。「この瓶にリフィルを突っ込んどいたら、先端のフェルトがインクを吸って書けるようになっちゃたりして」と思い、そのとおりやってみたら、うまくいったぽいです。これなら工作要素ゼロ。面倒くささ皆無です。

1〜2分の吸収時間で、いろは歌を4回書けるくらいのインクが入りました。4回で終わりかというと、それはまだわかってなくて、自分的には書き味がわかれば満足だからテストはいったん終了、という状態。

使ったインクは色彩雫の『朝顔』です。今思うと『冬柿』あたりにしておけばよかった。赤系ならアカイレに使えるしね。アカイレしないけどね。

追記:
ガビガビになってる黒いほうのSoft-tipに対しても上記メソッドを適用しましたが、再生できませんでした。アルコールでペン先を綺麗にしてから実施してもダメでした。しばらく水に漬けておこうと思います。

追記その2:
一晩水に漬けたら先端のガビガビは薄くなったものの、完全には取れませんでした。捨てようかと思ったんですけど、せっかくなので先述のRedditにあったメソッドを試してみました。

ピンバイスで後端に穴をあけ、それとピッタリ同じ径の針を持つ注射器で、色彩雫を1ccほど注入(ここはRedditと違うところ)。そうすると空気穴からインクが漏れ出しました。試し書きしてみると……全然書けません。すぐには浸み込まないんですかね。

翌日、ダメなら捨てようと思いつつ、改めて試し書きしてみたら……書けました! インクフローは潤沢で、いい感じ。芯材にインクが完全に浸み込むまで気長に待つのがポイントですな。ありがとう、Redditの人!

ミラネーゼループの重清掃

汗をかく季節のApple Watchにはミラネーゼループを装着します。汚れても清掃すればスッキリしますからね。でも、細かい金属ネットという構造上、ごってり汚れてしまうと、簡単には綺麗になってくれない。そういうときはテクを駆使しての徹底的な清掃、いわゆる重清掃が必要となります。メリカリ等で中古を買ったときにも重清掃したいですな。以下は小生がミラネーゼループを重清掃するときの手順です。

↓ルーペでミラネーゼループを拡大。緻密ですな。

①専用洗剤で超音波洗浄
 やっぱり時計・メガネ用の洗剤が安心かな、ということで、ずっとシチズン超音波洗浄器専用洗浄液WL100を使ってます。ミラネーゼループには樹脂部品や可動部品もありますから強い洗剤は心配。規定の投入量は1回5ccとありますが、自分は1ccくらいしか入れません。そのかわり水も少な目で、対象がヒタヒタに浸かれば十分という考え。気温が低い日はぬるま湯を作ってやります。超音波洗浄機はシチズンの小さい方です(大きい方が欲しいです)。

↓シチズン超音波洗浄器専用洗浄液WL100

②真水で超音波洗浄
 洗浄液を入れて超音波するとすぐに水が濁ると思います。どこから出てくるのか固形物が浮いてきたりもしますね。そうしたらすぐに水を捨てて、対象を流水ですすぎ、超音波洗浄器の水を真水(水道水)に替えてすすぎ超音波をします。汚れがまったく出てこなくなったら、対象を取り出してティッシュで吹いて乾かします。普段の洗浄はこれで終了。

③歯ブラシでブラッシング
 ミラネーゼループが綺麗になったかどうかは、湿っている状態で光に透かしてみればわかります。汚れが残っているところは水切れが悪く影になって見えるはず。埃や皮脂や毛髪が固まっていると超音波洗浄だけでは落ちません。そういうときは、食器用の洗剤を振りかけて歯ブラシで穏やかにこすります。網目に挟まった汚れに毛先が届くよう、両面をいろんな角度でコシコシ。汚れが浮いてきて、洗剤の泡が茶色くなるはず。そしたら流水ですすいで、もう一度①と②を実施します。

↓小生が重清掃するときは携帯型のライトテーブルで目詰まりをチェックします。

④キッチン泡ハイター
 ブラッシングでも落ちない汚れが見つかるかもしれません。なんらかの油脂やヤニ類が網目に入り込んで固着しているとダメです。そういうときは塩素系洗剤の出番。せっかく①で専用の中性洗剤を使ったのに、ここで塩素系を投入したら台無しなんですが、やってみるとわかります。泡タイプの台所用塩素系洗剤(たとえばキッチン泡ハイター)を、シュッシュッとかけて30秒くらい待つと、①~③では出てこなかった汚れが溶けだしてきます。白いキッチンペーパーの上に置くと、汚れが良く見えるでしょう。長時間塩素に浸すのは心配なので、汚れが浮いたらすぐ流水でよく洗います。そして、②→①→②を実行。
 なお、小生のミラネーゼループはすべてシルバーまたはナチュラルで、グレー系やゴールド系は持っていません。それらを塩素で洗っても大丈夫かどうかはわかりません。グレーは欲しいので、機会があったら試してみます。

⑤掃除木
 ここまでやっても取れない汚れは、金属網に絡まってしまった繊維や毛髪だと思います。これはもうひとつひとつ取り除くしかない。時計用の掃除木が使いやすいです。ピンセットで摘まもうとしたり、ライターの火で燃やそうとしたり、いろいろ試してみたんですが、掃除木で掻き出す(押し出す)のが一番簡単でした。掃除木は適度に柔らかく(そのためにブナの木がよく使われるらしい)、対象をつついたりこすったりすると、ほどよく繊維がばらけて汚れを絡め取ることができます。
 問題は、どこで手に入るのか? ですね。昔は東急ハンズで買えた気がするんだけど……。ここでは中村時計材料店にリンクしておきますが、「掃除木」で検索するとベルジョンの製品を扱っているオンラインショップが見つかると思います。御徒町の時計材料店にもあるはずです。

↓だいぶ前に御徒町で買った掃除木。ただの棒に凄い値段がついてますが効果はありますね。まあ、なければ竹串でも良いと思います。

はい、以上で、ミラネーゼループ重清掃の手引きは終了。先日、メルカリで中古の純正ミラネーゼループを3000円で買ったんですよ。安っ!と思って。届いた物はキズ少な目で、第一印象は悪くなかったんですが、汚れをたくさん噛み込んでいて清掃は大変でした。時計いじりは趣味なので、大変上等ではありますが、肌に着けるものは新品のほうが断然気持ちいいですな。普段使うスポーツループは新品で入手してます。汚れたら薄めた洗顔用液体石鹸とお湯で洗ってます。

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久しぶりの売却期

暇だし、金ないし、屋根裏等のガラクタが収拾つかなくなってきてるし、ということで、使ってない機材の売却を進めてました。2か月弱で25アイテムくらい売った。新しいアップル製品やゲーム機は地元のじゃんぱらで、他ジャンルはおもにメルカリで。

メルカリでアップルやゲーム関連の人気アイテムを売ろうとすると、変な人が寄ってきがちなので、リアル店舗で売ります。査定待ちの間、妙に緊張しますが、その場ですべて完結するので、終わってしまえばスッキリ。後腐れなくていいですな。

メルカリでカメラや時計を売っていて気付いたのは、購入代行業者の増加ぶり。「海外にお住いのお客様に代わり商品を購入し、海外まで商品をお届けするサービスを運営しています」といった内容のメッセージを最初に送ってくる。売り手であるこちら側のやることは同じなんですが、海の向こうにコレを買いたい人がいるんだな、とわかる。円安をビジネスチャンスとして活用してる感じですかね。半数近くが代行業者による購入で、4社確認できました。社名を名乗らず同様のビジネスをしている人もいそう。

一時期、YouTubeで「100ドルで買った日本のデジカメでこんないい絵が撮れちゃったヨ」的な動画を見かけました。円安のおかげで欧米のビンテージ機材オタクは楽しいでしょうな。日本で古いデジカメに15000円だしたら、イイのが買えますよね。たとえばNikon Coolpix P500番台がその価格帯。米人にはそれが100ドルに見える。ビンテージ腕時計も、eBayなら最低600ドルの時計が日本なら5万円台で手に入ったりする。わたくしも円安が加速した時期に考えました。日本で買った中古機材をeBayに出したらポンポン売れてウハウハなのでは? と。まあ、でも、実行するとなると、発送や集金のあれこれが面倒ですな。それなりのスケールが前提でしょうな。例によって脳内シミュレーションの段階で野望は萎みました。

萎んだんですが、自分でやるかわりに、ハードオフ社の株を買ったんです。ロサンゼルスや台湾やタイで店舗を増やしているらしい。わたくしが直接やらなくても、ハードオフさんがやってくれて、その配当がいただけるなら、それでいいのではないか? オレってアタマイイ! という思考経路。英語圏でHARD OFFという名称は微妙なので、ECO TOWNという店名でやっているという記事をどこかで読みました。そして今発見したのは、アナハイムのほうにECO TEKという名の店舗がオープンした、という情報。エコ・テック……なんとなく指向性が伝わってきますが、どういうお店なんでしょうね。

冒頭の写真は、一度は売りに出したけど、売れないので引っ込めた洋書。第2次大戦中のドイツ戦車の修理の写真集。こういう本は、すごーく根気よく待たないと売れないんでしょうな。待つことができない性格なのでネットで売るのはやめました。最近、CDやレコードが案外売れるという話を聞いたので、そっちを試してみようとは思ってます。

ブレッドボード・ドローディオ

最近、弊社が昔公開したDrawdioの記事に関する問い合わせが続きました。続いたっていっても半年で2件ですけどね。Adafruit版のDrawdioは今でもスイッチサイエンスが扱っているようです。

キットもハンダごても使わず、ブレッドボードで互換機を作りたいという人向けの資料を置いておきます。昔、東急ハンズでMake:主催のワークショップをやったときに使ったしおりです。PDFペラ1枚の簡単なものですが、配線はこっちのほうがわかりやすいと思います。今の季節、空気が乾燥していて、皮膚も乾燥していて、鳴りが悪いのですが、そういうときは息をハーっと吹きかければ改善されるかもしれません。

ダウンロード

ポートレイト

スマホを替えました。iPhone14 Pro。なんでいまどき14なのかというと、備蓄したまま出しそびれていただけです。オサイフとしては小さくて薄いSEのほうが扱いやすいですしね。

ポートレイトモードなんつー、こじゃれた機能があるので使ってみました。でも、なんだかピンとこないかも。90mm F2.0とかで撮った浅~い写真は好物なんです。でも、これはちょっと違うな~。なにかが違う。被写体が変だったせいかもしれません。

広角モードでパキッとパンフォーカスに撮ったときは、お~って思います。やっぱり謎の力が働いているようにも見えますが。

自転車に乗った後でも読む本

既にだいぶ乗ったあとですけど『自転車に乗る前に読む本』というブルーバックスを読んでいます。「生理学データで読み解く身体と自転車の科学」という副題の通り、データに基づいた良い乗り方が解説されている。こういう主旨の本を過去にも読んだことはありますが、多くの場合、元になっているデータが海外の競技者のものだったりして、どこまで参考にしていいのかわからなかったんですね。この本では、日本の幅広い自転車ユーザーのデータが使われています。機材についても国内事情にマッチしていて、普通の電動自転車でも運動になるのか?という視点でも詳しく調べられていたりします。シェアサイクルのヘビーユーザーである小生にはかなり参考になりました。

突然ですが、下記のデータは、小生がさきほど地元のショッピングモールへ行ったときの心拍数とスピードのグラフ。坂の多い道なので、心拍数は高めですな。信号待ちでもあまり下がっていない。前述の本では「日本の街中は信号機が多く、そこでの停止・発進のさいには大きな筋力を使うことになるので、運動強度を変動させるインターバルトレーニングを自然に行うことができる」というポジティブな捉え方でした。こういう発想は大事ですな。

年末年始もサイクリングと料理しかしてませんでした。もうずいぶん長いあいだ仕事してないなー。ま、いいか。本年もよろしくお願いいたします。