修理月間

冬に備えて、装備品のメンテナンスをしておこうと、修理や調整が必要なものを順番に処理してました。MacBook Pro Retinaのディスプレイのコーティング剥がれ、THERMOSのポット類のパッキン劣化、園芸用の鎌の刃こぼれ、万年筆のザリザリ感といった不具合を順調に解決し、次に取り掛かったのが、ここ半年くらい悩んでいた自転車のクランク部の異音問題。

クランクを踏むと、1周に1回、コツンという音が出ていたんです。スタンドに乗せて手で回すと再現せず、原因究明ができませんでした。で、迷ったあげくボトムブラケットを替えてみたんです。クランクの回転の軸はBBじゃないですか。だから、これが原因かな、って。しかし直らず。やや愕然としながら、コツンコツン鳴る自転車に乗っていて、気がつきました。もう1か所、回転軸がありますな。ペダルですな。とりあえずはずしてみようとペダルレンチをかけたら、力を入れる前にクルッと回ってしまいました。ゆるゆるになっていた模様。そして、そこをきっちり締めたら直りました。

今思うと、右足で踏んだ時だけ鳴っていたので、ペダルの可能性が高かった。もっと早く気づくべきだった。音を聞いたときの感覚ではペダルが鳴っているとは思わなかったんです。でも自転車の異音トラブルは真の発生源とは違う位置からの音として聞こえることが多いようですな。あと、ペダルってはずすのに苦労することが多いパーツという印象があって、緩みの可能性を除外してました。

「まさかこんなにゆるゆるになるとは……」と思いながら、ペダルをはずしたクランク(15年以上使ったShimano LX)をよく見ると、ペダルのシャフトが入るネジ穴の周囲がかなり擦り減ってました。それで締結力が弱まったのかも。まあ、そうだとしても、定期的に締まり具合を点検してれば防げたし、異変を感じたらすぐ周辺各部のグリスアップをやっておけば解決できたでしょうな。原因を特定する前の部品交換なんてのは、自転車に限らず愚策ですな。反省しました。あと新しい自転車が欲しいです。Giantの200km走れるe-bikeとか。

オレとゴールド

昔の自分は、金色が嫌いでした。お店でかっこいいカバンを見つけても、金具が金色だったら絶対買わなかった。金が良いと思っていたのは、ケーブルのプラグ部の金メッキだけです。でも、近年、認識が変わってきたんですよね。金メッキや金張りや金無垢のものが心地良いと思えるようになってきた。どうしてなんでしょう。理由は自分でもよくわかりませんが、「目に優しい」、「肌触りがしっくりくる」、「新鮮」といった印象。最後の「新鮮」は、好みが変化したことからくる新鮮さでしょうな。アップルがゴールドをカラーバリエーションに含めるようになった影響もあったりして。

古い筆記具や時計を漁るときも、金製品歓迎です。とくに金張り(Gold Filled)のものにお得感がありますな。たとえば、1970年代のCrossのペンが数十ドルで売られていたりする。しっとりした金の感触と実用性が両立していて楽しいです。金無垢なら、懐中時計(ケース)や万年筆(ペン先)が親しみやすいかも。ペンも軸まで金無垢だったりすると、それなりのお値段がします。銀無垢ならだいぶ安いです。銀は磨きがいがあって好き。持った時の感触は金よりも好きだな。

メッキ(Gold Plated)の製品は質の判断が難しい。60年代頃の時計や筆記具には、金メッキのぶ厚さを訴求しているものがあって、たとえば「80MICRON」と刻印があったりします。そういうのは、なかなか立派です。でも、メッキは厚くてもその下の金属(時計の場合は真鍮が多い)が痛んでいて、肌が触れる部分がボロボロだったりすることがあり、それでは使う気にならないですな。メッキのハゲも、写真だけじゃわからないことが多い。磨けば真鍮も光るので見分けにくいです。古いメッキ製品は、使用感の少ないものじゃないと、怖いです。

写真はシェーファーの万年筆とキングセイコー。まだレストア中。状態が良いので清掃だけでイケそう。製造年はたぶんどちらも70年代。素材は、シェーファーのペン先が14K、軸はGP、時計はまだよくわからなくて、たぶん金張りです。ふつう裏蓋に書いてあるんですが(セイコーならCAP GOLDとあれば金張り)、この個体はそれが書いてあるはずのところに「贈 東京電力株式会社」とあってわからない(勤続記念の贈り物ですかね)。今のところ小傷の様子から金張りと判断してますけど、分厚い金メッキなのかも。修練が足りなくて鑑定できません。だからなおさらワクワクするんですけどね。

意外に美味ていうか最高級スイーツ

食べてみたんです。先日収穫したサツマイモ。完全な「つるぼけ」となり、栽培は失敗だったので、味もいまいちなんだろうな、と思っていたんですが、まったく違いました。ふかしてそのまま食べただけなのに、最上級の甘味が口いっぱいに広がりました。ひとかけらのバターを載せてみると、まるで高級洋菓子店のスイートポテトみたい。いや、それを超えています。自然の甘味と香りにうっとり。

もっとたくさん採れていたら、毎日この味を楽しめたのに……と残念感も沸いてきましたが、来年また再挑戦したいと思います。土中の窒素分を枯らすために、冬の間になにかを植えておいたほうがいいかもな。