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2003/04/03 00:04 恥の効用

『本とコンピュータ』の仲俣さん、『ホットワイアード』の江坂さん、
そして『カエルブンゲイ』のアライさんとお話しする機会があった。
引きこもりがちな拙者にとって、有意義な刺激となりました。

意見的なことを文章にするときはけっこう慎重な拙者だが、
生トークのときはかなり思い切って発言するよう心がけている。
そうするとあとで「あんときは勢いであんなこと言っちゃったけど
冷静になってみると考え違いが含まれてるし、いま調べなおして
みたら間違ったこともいってたなー」なんてことになることも多い。
振り返ってみると、今日もそんな発言をいくつかしたような気がする。
恥ずかしい。恥ずかしいんだけど、人前で恥をかくことでハッと
我にかえって反省し、それまでの間違った考えを正す機会になれば
それはそれでありがたいことだよな、と思うわけです。

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たとえば、今日の会合の結果、補正された情報としては、最近
読んで「なるほどー」と思った『100年デフレ』の件があります。

この本に限らず、「構造改革論者」といわれる人々の意見は
トンデモ経済学であり有害とする意見がいっぽうにあって、
(たとえば、ここ↓
http://www.hotwired.co.jp/altbiz/noguchi/030204/ )
完全に対立してたりするんです。たしかに、100年デフレは、
突然五木寛之がでてきたりしてかなりトンデモな香りが漂って
いるんですが、それでも一定の説得力もこもっていて、心情的に
納得できちゃうものがあったんですよね。しかし、それを完全に
論破する上記URLのような論者の意見を読むとそれもまた
ずいぶん説得力がある。どちらが正しいかって話はひとまず
おいておくとして、教訓は、真相や正解はそう簡単に落ちて
たりしないってことであり、1冊本を読んだだけで真理に
近づいたような気になっちゃいけないっつーことなんでしょうな。
いろんな意見を付き合わせてみることが重要。引きこもって
ナローな興味を追求しているとそういうことを忘れてしまいがちです。

重度の100年デフレ論者になっちゃう前に醒めて良かった
ですよ。ま、ひとつの意見に長期間拘泥しちゃう性格では
ないので、時間がたてばまた違う意見の持ち主になったと
思いますけどね(それはそれで問題ありますけどネ)。


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