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2001/01/18 00:33 救助袋

PVは42300で、かなりいい数字。なお、昨日のPV報告は
間違ってました。31400がただしい値です。

昨日の避難設備のハナシを読んだ読者様峯さんから、
さらに詳しいおたよりをいただきました。
こういう話、好きなので、全文掲載させていただきます。

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私もこの写真を見てひとこと。
ウチは消防設備の設計・施工・保守を生業としております。従って子供の頃から
家業の手伝いをさせられていたのですが、この避難設備の点検が一番苦手でした。

避難設備で一番度胸がいるのは「緩降機」というヤツで、これは胸に巻いたベル
トにロープを取り付けて窓から飛び降りる!というものです。テレビのニュース
等で、ヘリコプターに救助された人がロープで吊り上げられるシーンを見ること
がありますが、その逆ですね。もちろん“緩降”ですから、一定の速度以上にな
らない仕掛けがあるので地面に激突したりはしません。いわゆるバンジージャン
プではありません。(笑)

写団Zの写真のものは避難設備としては「救助袋」に分類されます。救助袋とい
うと、ビルの窓から斜め(滑り台式)に筒袋の中を滑り降りてくるイメージがあ
るでしょうが、この方式(斜降式という)は少なくなっています。何故かという
と、誰かがビルの下で袋の端を固定してくれないと使えないからです。ギャグ漫
画に出てくるように袋の端を数人の人間で掴んで引っ張るのではなく、あらかじ
め地面に埋め込んであるフックに固定しなければなりません。訓練を受けていな
いと普通は出来ません。

そこで、はらさんのお便りのような「垂直式」の救助袋が普及したのです。これ
はその名の通り、垂直にビルの壁面に沿って袋が垂れ下がるので、真下の地面に
空間さえあいていればOKです。見た目が恐ろしいので緩降機同様に度胸がいりま
すが、外観上まっすぐに見える袋の中が螺旋になっていて、ぐるぐる回りながら
ゆっくりと降りていくのです。

しかし螺旋式になる前は、垂直な袋の所々がくびれていて、少しずつストン、ス
トンと落ちていく方式でした。つながったソーセージの中を通り抜けていくとい
えばお分かりいただけるでしょうか。しかしこの方式は救助袋そのものが老朽化
してくると、くびれた(狭くなった)部分が劣化して、落下のエネルギーを受け
止められずに加速して墜落することになります。日頃の点検整備を怠っていると
救助袋が殺人袋になってしまいます。ちょっと笑えませんね。
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キツクしすぎて途中でつまっちゃったりしてもやはり困りますな。
人間のソーセージになっちゃう。
この手の装置は、原始的な仕組みなだけに、ある種のおかしみを伴いますね。

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